ai sp@ceのインフラとしての展開
Second life、meetme、internet Adventureなどに、私は強い関心があります。理由は、ブラウザとしての可能性を感じるからです。
既存のwebブラウザは、どうしても「狙った、まさにそのもの」のページにしか行けません。webブラウザはハイパーリンクとそれを利用した検索での動きを基本としています。そのため、検索は究極のプル型アプリケーションだと、私も思っています。
これに対して、実際の街は目的地に行く途中でも思いがけない発見に出会えたりします。しかし、それをwebブラウザで実現する事は困難だと思います。そこで、私は次世代ブラウザとして3D仮想世界に可能性を感じています。
一方、Secondlifeのアクセス数は伸び悩んでいます。これは、企業の動きが大きな影響を与えていると感じます(もちろん、R-18、ギャンブル、バンキング禁止の影響も大きいと思いますが)。Secondlifeは参入障壁の割に、ユーザに対するリーチが小さいと判断されたのではないでしょうか。コンテンツの提供者が少なければ、利用者はどうしたって広がりません。
また、Second lifeの提供する広大な世界に離散的に存在するユーザを呼び寄せるのは、まずは「常に存在する(がイベントがあるわけではない)お店」ではなく、「たまに企画するイベント」なのではないかと、私は想像します。根拠はありませんが。
そこで面白いと思っているのが ai sp@ceです。どこに出しても恥ずかしいぐらいエロゲーです。アクセスすると人格を疑われそうです。本当にどうもありがとうございます。
それは、それとします。そもそも、武装神姫バトルロンドを熱く語る変態である私には、そんな事は些事です。匙はとうの昔に投げました。
では、ai sp@ceの説明をしましょう。そもそも、ai sp@ceはドワンゴ、VISUAL ART’S/KEY、CIRCUS、navelと言う、「エロゲ・ギャルゲ」に特化した、特定層に特化したユーザを収集した極めて特殊なユーザ層を持ちます。それがゆえに、その業界の会社にとっては非常に有効なアピール手段となるのではないかと思います。
しかし、エロゲ出してる3社が出資しているが故に他社のアピール機会を作る事は難しい可能性があるとも思いました。なぜなら、同業他社のアピールを許すと言う事は、潜在的に自分たちの商品を買ってくれるかもしれない資金を他社に流す事になるからです。
一方で、秋葉原駅前を完全再現した営業力を私は評価しました(駅前の各会社を回り、仮想世界内で再現してよいとの許諾を貰う事は、とても難しい事と思います)。そのためで、注視を続けていました。
今までは、コンプティークとのコラボイベント(2008/11/20)にあったのみでした。興味は惹かれましたが、直接的なギャルゲ・エロゲメーカではありません。即ち、直接的な競合他社ではないわけです。故に、「第一ステップ」としては評価しました。しかし、本来目指しているであろう「エロゲ・ギャルゲメーカとユーザを結ぶ双方向メディア」としては、まだ前進できていないと思いました。
ところが、最近、進展がありました。
このイベントに関する紹介のページを見ると、今回、ai sp@ce内でイベントをするムーンストーンとネクストンはどこからどう見てもギャルゲ・エロゲメーカであり、初期投資3社からみて、直接的な競合他社の様です。こういった会社がai sp@ce内のイベントをすることは、他のギャルゲ・エロゲメーカの参入障壁を大きく引き下げると考えます。
気になるのはムーンストーンの企業規模です。調べても判りませんでした。ネクストンは資本金2,000万円のそれなりに大きな会社です。ここが参入できた事は、それ程は間口を広げる事には繋がらないと感じます。もしも、ムーンストーンが小規模(資本金500万以下)であり、かつ、このコラボイベントを行い、そしてある程度以上の成果が得られたら、次に続くメーカが出るかもしれません。
その結果、毎週どこかのエロゲ・ギャルゲメーカが「ちょっとした座談会」めいたイベントを企画する状態なれば、ai sp@ceはオお化けする可能性があると思います。そして、イベント場までの道に「屋台」や「仮設テント」あるいは「コミケの机」のようにある程度宣伝できるスペースが作れるようになると、イベントに行く道すがら、新たな発見をしたり、イベントで知り合った人(おそらくは、エロゲ・ギャルゲの趣味が同じ友人候補!)でコミュニティを作れると、相当に強いメディアになると思います。
このイベントが上手く行くか、いかないか、非常に興味があります。注視したいと思います。